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環境対応フィルム

2022.06.09

環境対応フィルム・バイオマスフィルムとは?

INDEX
  1. 2030年に向けて、全ての皆様に押さえてほしいポイント
  2. バイオマスフィルム・生分解性プラスチックフィルムの種類
  3. バイオマスフィルムの原料について
  4. バイオマスプラスチックの需給バランスとコスト

2030年に向けて、全ての皆様に押さえてほしいポイント

昨今、環境配慮・SDGs等が話題となっていますが、ここ数年のフィルム製品に関連するトピックを取り上げたいと思います。まず、令和1年5月、政府は「プラスチック資源循環戦略」を策定しました。3R+Renewable(再生可能資源への代替)を基本原則としたプラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略です。我々にとってもマイルストーンが2030年に向けて設定されたという点が重要です。

具体的には、

<リデュース>
・2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制

<リユース・リサイクル>
・  2025年までにリユース・リサイクルが可能なデザインに
・  2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクル
・  2035年までに使用済プラスチックを100%リユース・リサイクル等で有効利用

<再生利用・バイオマスプラスチック>
・2030年までに再生利用を倍増 し、バイオマスプラスチックを約200万トン導入

と策定されています。プラスチックフィルムを扱う我々にとっても、これらに対応していかなければならないというのが課題となっております。

また、令和3年3月、さきほどのマイルストーンを背景として、環境省が策定した、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が閣議決定をされました。

我々が扱う包装資材も、「ワンウェイプラスチック」に該当することから、お客様に対して、将来的に環境対応フィルムの商品提案が必要になってきております。現在、当社グループとしてもこれらの開発に力を入れ、取り組んでおります。

バイオマスフィルム・生分解性プラスチックフィルムの種類

バイオマスフィルム・生分解性プラスチックフィルムの種類のイメージ
バイオマスフィルム・生分解性プラスチックフィルムの種類のイメージ

次にそもそも「環境対応フィルムとはどんな?」という点について具体的な製品と共にお伝えいたします。言葉の定義については、バイオプラスチックや、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチックなど、様々な言葉があります。

まずは、バイオマスプラスチック。

「バイオマス」とは再生可能な生物由来の有機性資源である事を指し、石油由来の成分を含まないプラスチックです。さとうきびやトウモロコシからアルコールを抽出して、精製します。このプラスチックを活用することで、二酸化炭素濃度の上昇を抑える「カーボンニュートラル」を目指します。

次に、生分解性プラスチック。

土の中の微生物によってプラスチックが、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水に分解されます。その為、海洋ゴミやマイクロプラスチックなどの問題への対応策として期待できる原料と云えます。

以上の二つを合わせて、環境対応プラスチックの総称を「バイオプラスチック」といわれております。

当社では、特に前者のバイオマスプラスチックの商品化・製品化を進めております。そこでバイオマスプラスチックについてより詳しくお伝えできればと思います。

バイオマスフィルムの原料について

バイオマスフィルムの原料についてのイメージ

バイオマスプラスチックの原料について、少しご紹介をいたします。バイオマスプラスチックは、右記に示すとおりです。代表的な由来原料としては、サトウキビ、トウモロコシ、キャッサバ等があります。

バイオマスプラスチックの多くは海外原料に依存しています。将来的な原料需要の拡大に当たり、燃料用途のバイオエタノール等の原料との競合も発生する可能性から、調達する観点で量が不足するおそれがあることが課題とも言われています。

バイオマスプラスチックの需給バランスとコスト

供給者としては特にお伝えしたい、バイオマスプラスチックの需給バランスとコストについてお伝えいたします。

バイオマスプラスチックの供給について

バイオマスプラスチックは原料生産国で製造されています。近年、需要の増加により、各国の樹脂製造事業者による増産の計画があるものの、しばらくは供給が需要に追いつかないおそれがあると環境省の報告では出ております。今後需要と供給のバランスがどう振れるか、未確定の面も多いため、充分に注視する必要があります。

バイオマスプラスチックのコストについて

石油由来資源と比べた場合、どうしても従来の石油由来プラスチックより高価格となってしまいます。環境省が実施した、利用事業者へのヒアリングによると、従来の石油由来プラスチックと比べると、バイオPEが約3倍、バイオPETが約1.5倍となっております。残念ながら、こちらのコストがすぐに下がっていくというのは難しいと言えます。つまり、現状ではコスト面、今後を考慮すると供給面という点で少し不安が残ります。バイオプラスチックを導入する上では、コスト・供給のバランスを鑑み、どこまで導入を進めるか、検討いただき、プラスチック製造業社にアドバイスを求めることをお勧めいたします。

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