フィルムの取り扱いをする上で
知っておきたい豆知識

「PEフィルム(ポリエチレンフィルム)」

PEフィルムは、ポリエチレンを原料とするプラスチックフィルムです。ポリエチレンは、エチレンを重合して得られる熱可塑性樹脂で、軽量かつ柔軟性、耐水性、耐薬品性に優れています。そのため、PEフィルムは、包装材、農業用フィルム、建設資材など、幅広い用途で使用されています。

 

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1.PEフィルムの種類

PEフィルムは、その製造方法や特性によって、いくつかの種類に分けられます。

  • 低密度ポリエチレン (LDPE) フィルム: 柔軟性、透明性、耐衝撃性に優れています。主に食品包装やゴミ袋などに使用されます。
  • 高密度ポリエチレン (HDPE) フィルム: 強度、耐熱性、耐薬品性に優れています。主にスーパーマーケットのレジ袋やシャンプーボトルなどに使用されます。
  • 直鎖状低密度ポリエチレン (LLDPE) フィルム: LDPEとHDPEの中間の特性を持ち、柔軟性と強度に優れています。主に農業用フィルムやストレッチフィルムなどに使用されます。

2.PEフィルムの主な特徴

PEフィルムには、以下のような特徴があります。

  • 軽量: 比重が小さく、軽量であるため、運搬や取り扱いが容易です。
  • 柔軟性: 柔軟性に富み、様々な形状に加工することができます。
  • 耐水性: 水を通しにくいため、水濡れから内容物を保護することができます。
  • 耐薬品性: 酸やアルカリなどの薬品に強く、内容物の変質を防ぐことができます。
  • 透明性: 透明度が高く、内容物を確認することができます。
  • 加工性: 熱可塑性樹脂であるため、加熱することで容易に加工することができます。
  • リサイクル性: リサイクルが可能であり、環境負荷を低減することができます。

3.PEフィルムの用途

PEフィルムは、その優れた特性から、様々な用途で使用されています。

  • 包装材: 食品包装、衣料品包装、工業製品包装など、様々な製品の包装に使用されます。
  • 農業用フィルム: ビニールハウス、マルチフィルム、トンネルフィルムなど、農業分野で広く使用されます。
  • 建設資材: 防水シート、防湿シート、養生シートなど、建設現場で様々な用途に使用されます。
  • その他: ゴミ袋、レジ袋、ショッピングバッグ、ラミネートフィルムなど、日常生活で身近な製品にも使用されています。

4.PEフィルムの今後の展望

PEフィルムは、その優れた特性と幅広い用途から、今後も需要が拡大すると予想されます。特に、環境問題への関心の高まりから、リサイクル可能なPEフィルムの需要が高まっています。また、バイオマスプラスチックなど、環境に配慮した新しい素材の開発も進められています。PEフィルムは、今後も進化を続け、私たちの生活を支える重要な素材であり続けるでしょう。

5.基礎知識

ポリエチレンフィルムは、食品から工業製品、医療分野まで、あらゆる産業で欠かせない素材です。しかし、その用途の幅広さゆえに、「どのポリエチレンフィルムを選べば良いのかわからない」「今のフィルムで本当に最適なのか」といったお悩みを持つお客様が多くいらっしゃいます。

NTフィルムは、ポリエチレンフィルムの製造・加工に長年携わってきたプロフェッショナルとして、お客様の製品・容器・使用環境に最適なフィルムをオーダーメイドでご提案します。最適なフィルムは、単に「包めれば良い」というものではなく、製品の品質保持、作業効率向上、コスト削減、環境対応といった多岐にわたる課題を解決する鍵となります。

この記事では、ポリエチレンフィルムの基礎知識から、お客様の課題を解決するための具体的な選定ポイントまでを徹底的に解説します。

5-1. ポリエチレンフィルムの基礎知識:種類と特性

ポリエチレンフィルムは、原料となるポリエチレン樹脂の密度によって大きく分類され、それぞれ異なる特性を持っています。最適なフィルム選定の第一歩は、この基本特性を理解することです。

(1)主なポリエチレンフィルムの種類

種類 英語略称 主な特性 代表的な用途 NTフィルムでの対応
高密度ポリエチレン HDPE (High Density PE) 強度、耐熱性、耐薬品性に優れる。半透明でシャリ感がある。薄肉化によるコストダウンが可能。 スーパーのレジ袋、シャンプーボトル、建材の防湿シート、自動車塗装養生(帯電防止性付加実績あり) チューブ仕上り幅 最大2.4mまで対応可能。
低密度ポリエチレン LDPE (Low Density PE) 柔軟性、耐水性、加工性に優れる。透明度が高い。クリーン度を求められる用途にも適している。 一般的なポリ袋、農業用フィルム、食品のパウチ、内袋 チューブ仕上り幅 最大3mまで対応可能。
直鎖状低密度ポリエチレン LLDPE (Linear Low Density PE) LDPEとHDPEの中間の特性。柔軟性と強度(特に引張・引裂強度)に優れ、ヒートシール性が高い。 ストレッチフィルム、重袋、農業用フィルム、大型ガセット原反 LLD/LDの押出機で幅560mmまで生産可能。

NTフィルムでは、これら基本的な材質に加え、強度を高めるメタロセン系LLDPEや、環境に配慮したバイオマス原料(PL対応)を使用したフィルムの製造実績も豊富にあります。お客様の製品が必要とする「強度」「透明性」「耐熱性」などの基本要件から、最適なポリエチレンフィルムの材質をご提案します。

 

(2)フィルムの成形不良とNTフィルムの品質管理

インフレーション成形という製法を用いるポリエチレンフィルムでは、「厚み不良(厚みのムラ)」「幅不良(折径の変動)」「ブロッキング(開口性不良)」といった成形不良が発生する可能性があります。

NTフィルムは、これらの不良を抑制するため、JIS規格より厳しい自社基準を制定し、品質管理を徹底しています。

5-2. 用途と容器に合わせた最適なフィルム構造・厚み・機能性の選定

お客様がポリエチレンフィルムを選定する際、最も重要になるのが「どのような用途で、どのような容器(袋)として使用するのか」という点です。NTフィルムは、用途や容器の形状に合わせて「構造」「厚み」「機能性」の3つの観点から最適な仕様を設計します。

(1)最適な「構造」の選択:単層 vs 多層

構造 特徴 用途の例 NTフィルムでの対応実績
単層 最もシンプルで経済的。ポリエチレン単体。 一般的な内袋、養生シート LDPE、LLDPE、HDPEでの製造実績多数。
多層(共押し出し) 複数の樹脂を重ねることで、それぞれの特性を複合できる(例:強度とヒートシール性を両立)。 充填時のシール強度が必要な袋、異物混入防止の着色層を持つ袋 三層共押し加工による高機能フィルムの提供実績あり。

特に液体や粉末の漏れを防ぐ必要がある場合や、フィルムに特定の機能(帯電防止、遮光など)を持たせたい場合、多層構造の採用が有効です。

 

(2)用途から導く「最適な厚み」と「機能性」

フィルムの厚みは、強度とコストに直結します。NTフィルムでは、高強度原料(HDPE、メタロセンなど)を活用した「薄肉化によるコストダウン提案」を積極的に行っています。

また、お客様から多くご相談をいただく特定の用途・課題に対して、機能性を付加したポリエチレンフィルムをご提案しています。

業界・用途 抱える課題 NTフィルムの提案機能と実績
電子部品・半導体 静電気による製品の破損、ホコリの付着を防止したい。 帯電防止フィルム永久帯電防止フィルム導電性フィルム。クリーン度の高い工場での製造。
食品(油脂・調味料・粉末) 内容物への添加剤の移行を防ぎたい。自動充填機の効率を上げたい。 無添加ポリエチレンフィルム角底加工による充填効率UP。シール不良防止のための三層袋提案。
工業薬品・樹脂原料 充填後の空気抜き、油汚れを通さないようにしたい。 全面有孔加工(脱気機能)オイル汚れを通さない特殊フィルム
断熱材・建築資材 湿気からの保護、高強度な梱包がしたい。 防湿性フィルム(建材向け18〜20μm、巾800〜1,200mm実績あり)、高強度フィルム
環境対応 環境負荷の低い包材に切り替えたい。 バイオマスプラスチック製フィルム(長尺原反可能)。エコアクション21認証取得。

5-3. 自動充填機に対応するフィルム原反の最適化

多くの製造現場で自動充填機が導入される中、充填機メーカーの仕様に完全にフィットする**ロール原反(ポリエチレンフィルム)**のニーズが高まっています。充填機とフィルムの相性が悪いと、「シール不良による内容物の漏れ」や「ブロッキングによる作業中断」など、深刻な生産トラブルにつながります。

NTフィルムは、長年にわたり様々な自動充填機メーカーへの納品実績があり、そのノウハウを活かした「充填機に合わせた最適化」を得意としています。

 

(1)自動充填機で選ばれるフィルムの「加工形態」

 

自動充填機を使用する場合、一般的なボトムシール袋ではなく、以下のような特殊な加工を施した原反が求められます。

  • ガセット原反(マチ付ロール):粉末・液体・油脂などの内容物を効率良く充填し、容器の形状にフィットさせるために利用されます。
  • 角底加工:段ボールやコンテナの四隅にフィットし、内容物の歩留まりを良くするために重要な加工です。NTフィルム独自の「Xシールタイプ」の大型角底加工は、特にコンテナ内袋で実績があります。
  • 長尺巻き加工:交換頻度を減らし、連続生産を可能にするための直径1,000φまでの長尺巻きに対応します。

 

(2)自動充填機の課題を解決するNTフィルムの強み

 

NTフィルムは、フィルムの製造(インフレーション成形)から製袋加工までを一貫生産できる体制により、自動充填機における様々な課題を解決します。

  1. 高精度な寸法管理:幅不良(折径の変動)は自動機でのトラブルの最大の原因です。NTフィルムでは、自社基準に基づき、設定値からのズレを最小限に抑えた高精度な原反を提供します。
  2. 適切な滑り性:自動機でのスムーズな搬送・開口のためには、フィルムの滑り性(摩擦係数)のコントロールが不可欠です。お客様の充填機の速度や機構に合わせて、最適なスリップ剤の添加量を調整します。
  3. シール不良対策:フィルムの材質、厚み、添加剤を調整することで、熱シール時の融着強度を最大化し、内容物の漏れを防ぎます。必要に応じて二本シール加工などもご提案します。

5-4. NTフィルムが選ばれる理由:製造体制と課題解決力

 

なぜ、多くのお客様がNTフィルムポリエチレンフィルムの製造を依頼するのでしょうか。それは、単なるフィルムメーカーではない「課題解決型の製造パートナー」としての体制があるからです。

 

(1)確かな製造技術と幅広い対応力

 

NTフィルムは、以下の広範な製造・加工能力でお客様の多様なニーズに応えます。

  • 大型サイズへの対応:LDPEチューブで最大幅3m、HDPEチューブで最大幅2.4mまでのフィルム製造が可能。大型のパレットカバーやコンテナ内袋、クラフト内袋原反などの製造で高い評価を得ています。
  • 特殊加工のラインナップ:一般的な製袋に加え、充填効率を高める角底加工、シール強度を高める二本シール加工、脱気機能を持たせる全面有孔加工など、業界・用途に応じた多種多様な特殊加工に対応しています。
  • クリーンな製造環境:電子部品向けなどのクリーン度が求められる製品に対し、徹底した品質管理体制のもとで製造を行っています。

 

(2)事業継続計画(BCP)対策と二社購買への対応

 

近年、資材調達におけるBCP(事業継続計画)や二社購買によるリスク回避のニーズが高まっています。

NTフィルムは、大阪工場福井工場という地理的に離れた二拠点体制に加え、関連会社の中川製袋化工の拠点も活用することで、災害時などにも安定供給できる体制を確立しています。電力供給企業も別々であるため、予期せぬトラブル発生時も、供給ストップのリスクを大幅に低減できます。

「現行メーカーの価格が高騰した」「供給リスクを分散したい」といったご相談にも、NTフィルムは最適な製品仕様と供給体制で柔軟に対応します。

5-5. 最適なポリエチレンフィルムはNTフィルムにご相談ください

 

ポリエチレンフィルムの選定は、材質、厚み、機能、そしてそれを支える製造・加工技術の組み合わせによって決まります。お客様の抱える「静電気のトラブル」「液漏れ・粉漏れ」「自動充填機の不具合」「コスト削減」「環境対応」といった具体的な課題に対し、NTフィルムは最適なポリエチレンフィルムの設計をご提案します。

まずはお客様の「用途」と「現在のお困りごと」をお聞かせください。当社の豊富な実績と技術力で、課題解決に貢献できるポリエチレンフィルムをご提案します。

 

5-6.PEフィルムの種類を解説

▶▶▶通気性PEフィルムのご紹介~脱気機能付き特殊フィルム~

▶▶▶急な雨から製品を守る!~バイオポリエチレンを活用したパレットカバーのご紹介~

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